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71話

「準備はいい、いとこ?」ケイレブが訊ねると、エマは頷いた。三人は盾の後ろに隠れ、地下室の入口に立っていた。誰かがいないか耳を澄ませたが、聞こえるのは家中の遠い部屋からの恐怖の叫び声と悲しみの泣き声だけだった。

「奴はいつでも俺たちを狙ってくる。俺の父親のことだから、支配欲が強いんだ。戦場で起きたことは予想外だったんだろう」ケイレブは心の繋がりを通してエマに語りかけた。

彼女は返事をしなかったが、マルコムを止めるための最初の一手を打った。

残りの手下たちを排除するために。

彼女は軽々と空を暗くした。それはマルコムに彼らの解放を知らせると同時に、家族に彼らが生きていることを伝えるためだった...