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52話

「エマ」

「王女様は大丈夫でしょうか?!」

「王子様と王女様についての情報はありませんか?」

「ランドン王はひどく心配しています。みんなそうです。あの夜、実際に何が起きたと思いますか?」

「私たちの王女様。白い狼。私たちは月の女神に再び祝福されたのです」

遠くから聞こえる会話の断片が私を眠りから覚ました。自分の相手や家族以外の狼たちの心の繋がりが聞こえる理由を理解するのに少し時間がかかった。

目を開けると、再び混乱が襲ってきた。ここは私の部屋でもマイケルの部屋でもなかった。周りを見回すと、装飾はバーガンディとゴールドの組み合わせで、ウォークインクローゼットが二つと、外に続くバルコニ...