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165話

「あなたはあまり話さないのね?」シエナは隣の静かな王子を見ながら尋ねた。彼は彼女の手を握りしめ、おどけた笑顔を見せた。彼の恥ずかしがり屋な様子に彼女はくすくす笑いながら、二人の繋いだ手を揺らして舞踏会から離れた静かな廊下を歩いた。彼の手をまだ握りながら、彼女は振り向いて彼に向かって後ろ向きに歩き始めた。ニコライは彼女の足を踏まないように歩みを緩めた。「どうして私があなたを受け入れるかどうか聞いたの?」彼女は彼を見上げて微笑んだ。

ニコライはただ言葉を失い、彼女の質問に答えるのを忘れていた。彼は彼女の声、彼女の笑顔、そして彼女が彼を見るときの輝く目に魅了されていた。「ああ...いとこたちが私に...