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53話

ソフィアが足を踏み入れた小さな店を私は後に続く。それは二つの大きなブティックの間に隠れるように佇む小さな店だった。頭上の看板には「文房具の楽園」と書かれ、窓からは温かな灯りがこぼれ出ていた。先ほどの口論で胸はまだドキドキしていて、物事が落ち着いたとはいえ、皮膚の下で沸き立つイライラを振り払うことができない。

あの口論だ。くそ、あれは馬鹿げていた。ソフィアが先に歩いていく姿を見ながら、私の頭の中では全てが再生される。ダニーが彼女を連れて本屋に行ったことにどれだけ腹を立てたか。彼女が誰をより好きなのかを探ろうとして、みんながどれほど馬鹿げたことをしていたか。まるでそれが重要であるかのように。私た...