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112話

モレッティの所謂本部の景色を眺める。まさにお金と権力を誇示するような場所だ。この建物は我々のものとは全く違う。艶やかな黒いガラス、装飾された門、そして入口を神殿のように囲む巨大な柱。あらゆる角から金色の装飾が光り、傲慢さが滴り落ちているようだ。正面には派手な噴水があり、水はモレッティのイニシャルが刻まれた台座の上にある獅子の像を流れ落ちている。彼が自分は手の届かない存在だと示そうとしているのなら、見事に成功している。

だが、我々は景色を見に来たわけではない。

周囲では、我々の仲間たちが静かに集中して持ち場に着いている。この作戦は完璧でなければならないと分かっていたから、最も信頼できる者たち...