「お尻を見せてくれ。バックで抱きたい」

なんてこと！彼の言葉は私を興奮させると同時に、イライラさせた。今でも昔と変わらない傲慢で命令口調な男。いつも自分の思い通りにしたがる。

「なぜ私がそんなことを？」足が震えるのを感じながら尋ねた。

「選択権があると思わせてしまって申し訳ない」そう言うと、彼は私の髪を掴み、上半身を押し下げ、机に手をつかせた。

ああ、もう。思わず微笑んでしまい、さらに濡れてきた。ブライス・フォーブスは私が想像していた以上に荒々しかった。

＊

アネリーゼ・スターリングは、残酷さを表現するあらゆる言葉を使っても、この最低な上司を形容するには足りないだろう。ブライス・フォーブスは残酷さの象徴だが、不幸にも抗いがたい欲望の象徴でもある。

アンとブライスの間の緊張が制御不能なレベルに達する中、アネリーゼは誘惑に抵抗しなければならない。職業的な野心に従うか、最も深い欲望に身を委ねるか、難しい選択を迫られることになる。結局のところ、オフィスと寝室の境界線は完全に消えようとしていた。

ブライスはもはや彼女を頭から追い出す方法を知らない。長い間、アネリーゼ・スターリングは単なる父の部下であり、家族のお気に入りでしかなかった。しかし不運なことに、彼女は今や彼を狂わせる魅力的で欠かせない女性となっていた。これ以上彼女に触れないでいられる自信がない。

ビジネスと禁断の快楽が絡み合う危険なゲームに巻き込まれ、アンとブライスは仕事とプライベートの微妙な境界線に直面する。交わされる視線の一つ一つ、挑発の全てが、危険で未知の領域を探る誘いとなっていた。


フォーブス氏

アレックス
なぜ彼女は私が彼女の話を聞きたいと思うと考えたのだろう？私は彼女の声すら聞きたくなかった。しかし、好奇心が勝ってしまった。
「なぜ？」と私は彼女に背を向けたまま、ドアを見つめながら尋ねた。
「あなたのためよ」と彼女は、イライラするほど甘ったるい声で言った。
「私のため？」と私は懐疑的に問い返し、彼女の方を向いた。
言葉を誤解していないか確認したかった。でも、もしかしたら彼女は本当に私を脅すほど狂っているのかもしれない。
彼女は洗面台に身を乗り出し、鏡に映る自分の姿を見つめながら、暗い髪の毛束をいじっていた。
「正直言うと...彼がこんなことをする理由も分かるわ」と彼女...

136話