「やってみなさいよ！」

エリンは挑戦的な眼差しで、目を輝かせながら言い放った。

ブレイデンは彼女を見下ろしながら、目を細めた。頬を紅潮させ、小さく息を漏らす彼女の姿に目が釘付けになる。ベッドの上で彼女を押さえつけている自分に気付き、抑えきれない欲望が込み上げてきた。

柔らかく湿った吐息が彼の目を捉え、その時、現実が突き刺さった。彼女の脚が彼の腰に絡みつき、唇が近づくにつれ、二人の間に漂う激しい引力に抗うのが困難になっていく。

これまでずっとライバル同士だった二人は今、お互いを飲み込みそうな官能的な駆け引きの渦中にいた。

ストーン財閥の会長である富豪のジュリアス・ストーンは、事業を継承する後継者を必死に探していた。息子が任務を全うできないと悟った彼は、孫のブレイデンに目を向ける。しかし、ブレイデンもまた適任ではないことが判明し、ジュリアスは思い切った手段を取ることを決意する。

彼は、メイドの娘である美しいエリンを、相続権を巡ってブレイデンと競わせることにした。若き後継者たちの対立は、次第に抗いがたい性的な緊張関係へと変化していく。

大人になるにつれ、ブレイデンはエリンを懲らしめようと誓いながらも、彼女への欲望に心を支配されていく。エリンもまた、競い合い挑発し合う関係を続けながら、ブレイデンの魅力に惹かれていく。

二人は情熱に身を委ねるのか、それともライバル関係が彼らを引き離すのか？

恋人か、宿敵か？


恋人かライバルか

彼の体の近さは、あの過ちの後、こんなに早くエリンが対処しなければならないことになるとは思っていなかった。
だからこそ、彼女は堂々と対応できた自分を非常に誇りに思っていた。ブレイデンを胸に手を当てて押しのけた。
「何を言ってるのか全然わからないわ」とエリンは大胆に告げた。
「わからないって？」
「わからないわ。私はトラウマ的な記憶を消去する傾向があるの」
彼女は瞬きもせず、ひるむこともなく彼の視線をまっすぐ見返した。
彼女は何もなかったかのように消し去ることを選んだのか。軽い嘲笑が彼の唇から漏れ、目は彼女の顔に向かって細められた。彼女にとってそれほど簡単なことだったのか？どうして彼女は二...

32話