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212話

最悪な気分だった。

痛み止めは期待通りの効果を発揮していたが、その副作用として眠気を誘い、反射神経を鈍らせていた。

まだ治っていない傷は太ももの一つだけだった。ウルフスベインのせいで人間と同じ速度でしか治らないというのは、今の私にとって好ましいことではなかった。何か欲しいものがあれば、エヴァかデイビッドおじいちゃんに頼るしかなかった。お父さんは狩人たちが残した混乱の後始末で忙しく、長くは留まれなかった。

幸いなことに、お父さんが行った変更のおかげで、狩人たちの予想外の動きにパックは優位に立っていた。今の私はパックのことにはあまり興味がなかった。

頭の中はルーカスのことでいっぱいだったが、誰かに...