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175話

私は車の後部座席で、父とおじいちゃんの間に挟まれていた。アルファ・グレイソンの車だ。もし父が無理やり後ろに座らせなかったら、もっと快適だったのに。

でも、そうはいかなかった!

グレイソンはバックミラー越しに数秒間、私と視線を合わせてから再び道路に集中した。

彼の口が私の体に触れた記憶が脳裏をよぎると、背筋に震えが走り、私の秘所がきゅっと締まった。あと数秒でも父が来なければ良かったのに。

ため息をついた。

この沈黙が私を殺す。

これ以上に気まずい状況があるだろうか?

まつげの下から父に恐る恐る視線を送った。彼は私の右側で体を硬直させ、両手で膝をつかんでいた。唇を引き締め、目を細めて窓の外を虚ろに...