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103話

「それはいい考えじゃないと思う」

「私もそう思う」とメルが口を開いた。

「なぜダメなの?散歩に行くだけよ。ここは安全でしょう?」私はカウンターの後ろに立つ二人の女性を見比べた。「二十分で戻ってくるわ」

「十分」ヴァレリアは私に指を向けた。「十分以内じゃないと行かせないわよ。公園はここから歩いて二分よ。そこに行くつもりでしょ?」

私はうなずいた。携帯電話をしっかりと握りしめ、玄関へと向かった。家を出る前にジャケットを取ることを忘れなかった。通りは活気に満ちていたが、私はほとんど気に留めなかった。胸は罪悪感で締め付けられていた。どうしてあんなことをしてしまったのだろう?あんなに手に負えなく...