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第958話自宅の独身男性

両親に連れられてお見合いの席に来たメリンダは、バーナードを見た瞬間、心を奪われた。顔を赤らめ、立ち上がると、恥ずかしそうにバーナードへと手を差し出した。

「こんにちは、メリンダと申します」

「どうも、どうぞお座りください」バーナードは頷くだけで、彼女の手を取ろうとはしなかった。

メリンダは少し気まずさを感じ、仕方なく手を引っ込めると、再び腰を下ろした。

ヘレンとヴィンセントは顔を見合わせ、ロマンスのかけらもない孫の態度に、言葉もなかった。

バーナードは一人掛けのソファに座り、メリンダの家族とゆったりと会話を交わしていた。紳士的で上品な物腰だが、熱心すぎず冷たすぎず、丁寧でありながらど...