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第939話嘘つきチャールズ

チャールズが非協力的なのを見て、スカーレットの笑みは消え、声が厳しくなった。「今すぐ顔を上げなさい。さもないと後悔するわよ。二度は言わないから」

その声色に本気を感じ取ったチャールズは、おそるおそる顔を上げ、恐怖に満ちた目でスカーレットを見つめた。

スカーレットは彼の悪夢だった。彼女は機嫌が悪いと、いつも彼に感情をぶつけてきた。当時はまだ幼く、全てをはっきり覚えているわけではなかったが、彼の体には恐怖に対する条件反射が刻み込まれていた。

彼はスカーレットがとても怖かった。

チャールズが素直に顔を上げたのを見て、スカーレットの険しい表情がわずかに和らいだ。再び笑みを浮かべ、檻の中に手を伸...