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816話

キャサリンは顔を窓の方に向け、頭を擦りながら言った。「それで、今回も何も得られなかったのね。」

バーナードは答えた。「いや、何かを得たよ。」

キャサリンの幻滅した目が再び輝いた。「何?」

バーナードはキャサリンの目をじっと見つめた。「あの友人を通じて、電話でロータスの声を聞いたんだ。間違いない、あれは私たちの母の声だった!世界中で同じ声色、イントネーション、習慣的な言葉遣いを持つ声は二つとないはずだと思う!」

キャサリンの瞳が震えた。「本当?ママなの?」

バーナードはうなずいた。「間違いなくママだよ。」

キャサリンの目に涙が溢れた。「ママはまだ生きているのね。」

そんなキャサリン...