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619話

アレックスは肩をすくめた。「僕たちはもう注文したよ。君たちは好きなものを頼んでいいよ」

アンソニーは笑顔を見せた。「いいね、テレサの好きなものを頼むよ」

アンソニーが注文に忙しい間、テレサは自分の思考に没頭していた。「ここに来る直前、アレックスとキャサリンは会話していたのに、私たちが現れたとたん黙ってしまった。一人は真剣な表情で、もう一人は窓の外をただ見つめて一言も発していない。これはまずい!

二人は六ヶ月も離れていたんだ。このままだと、絶対に別れてしまう。こういう時は、男性の方から先に謝らないと解決しないのに!アレックスの今の高慢な態度は、キャサリンをさらに遠ざけるだけだわ」

テレサ...