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407話

「まだ必要だから、無理だ」とアレクサンダーは言い返した。

エスメの顔は苛立ちで歪んだ。「ルイスには渡さないって言ったじゃない?なぜ私にはくれないの?ただのハーブよ、アレクサンダー!お金の問題なら、払うわ」

「お金の問題じゃない」とアレクサンダーは頭を振りながら繰り返した。

セレニティリーフをエスメに渡すなんて絶対にできない。

「誰か他の人にあげるつもり?」エスメは困惑して尋ねた。

アレクサンダーは物を溜め込んで共有しないタイプではなかった。

もし彼が手放さないのなら、きっと理由があるはずだ。

「ああ」アレクサンダーは彼女に嘘をつきたくなかった。

エスメはため息をついた。「わかっ...