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121話

エレベーターのドアが開き、エリザベスはすぐに外に出た。

アレクサンダーは彼女の頑固な姿を見つめ、心に軽い痛みを感じた。

病棟の入り口で、エリザベスは立ち止まった。アレクサンダーに向き直り、両手を前に置いて優しく言った。「テューダーさん、ここでお別れします。朝からずっとご迷惑をおかけしてすみません」

「構わないよ」アレクサンダーは彼女をもう一度見た。

彼は何か必要なことがあれば電話してほしいと言いたかった。

しかし、彼が口を開く前に、見覚えのある声が聞こえてきた。「エリザベス」

アレクサンダーとエリザベスの二人が振り向くと、ジョセフが花束と贈り物を持って近づいてくるのが見えた。

「...