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第1144章

エリザベスの心臓がドキリと跳ねた。

ラッセル家とはこれ以上関わりを持ちたくない、というのが彼女の本心だったが、今はどうやらこの電話に出るしかないようだった。

「エリザベス、誰から?」ローズは彼女の躊躇いに気づき、おおよその見当をつけていた。

ラッセル家は何年も娘を探し続けていたのだ。結果が出た今、病院はすぐに彼らに連絡したに違いない。予想外のことがなければ、この電話はラッセル家からのものだろう。

エリザベスは答えた。「ヘンリーよ」

ローズの推測は当たっていた。

「出なさい」とローズは言った。

エリザベスは出るしかなかった。

エリザベスは応答ボタンを押し、病室を出た。

電話の向こうは沈黙していた...