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6話

物体の視点

全身に痛みを感じながら目覚めたけれど、それは心地よい痛みだった。なぜこんな状態なのか、その記憶が素晴らしいからだ。私は快楽というものを知り、それに中毒になったと思う。それはただただ素晴らしい感覚なのだ。

今なら理解できる。なぜ多くの人が他のことを気にせず自分自身を満足させようとするのか。私はこれまで他人を幸せにするために使われてきたけれど、もうそれは起こらないと思う。

彼の匂いがまだとても強く残っていて、正直なところベッドから起き上がりたくない。ただこのベッドに横たわり、混ざり合った私たちの匂いを嗅ぎながら幸せを感じていたいだけなのに、お腹が鳴る音がして、やっと動こうと努力す...