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173話

アイラ視点

お風呂でゆっくりと時間をかけ、肌を優しく洗い、バスソルトを浸透させた。満足したところでバスタブから出ると、ヴィクターが白いタオルを私の傍に置いていたことに気づいた。

体を拭いて鏡の前に立つと、まず目に入ったのは首の両側にある二つの跡だった。もう赤みは引いて、単なる二つの点のように見える。状況が良くなっているもう一つのサインだ。私は微笑んで伸びをした。

奥のクローゼットに歩いていくと、作業台の上に三種類の衣装が置かれていた。一つ目は、シンプルな黒のキャミソールと黒のパンティ。おそらくこれを着たら、ただ休むだけということを示しているのだろう。

二つ目の衣装は、金の装飾と緑がかっ...