アルファの心の歌

76話

アルファのアンドリューとルナのエンバーの間に座って、アローラは引き裂かれ、傷ついた心を癒すようなぬくもりを感じていた。ジャクソンがキッチンに入ってきたとき、アローラはちょうど温かくてとろけるシナモンロールを一口食べていた。アローラは思わず快感の呻き声を漏らした。シナモンロールはあまりにも美味しくて、彼女の味覚にとって神の食べ物のようだった。

エンバーは小さく笑い、アローラを見る彼女の笑顔は柔らかく愛情に満ちていた。それは子供を見る母親のような笑顔だった。「私のシナモンロール、気に入ってくれたみたいね？」

アローラは口いっぱいにしたまま、頷いて「うんん」としか言えなかった。アンドリューはアロ...