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50話

花の香りと、葉を揺らす優しい風、そして岸辺で水が打ち寄せる音に誘われて、アローラは目を開いた。目を開けると、彼女は明るい青い花で咲き誇る巨大な柳の木の長く垂れ下がった蔓のような枝を見上げていた。木の上の空は淡い青色で、ふわふわとした薄灰色の雲が漂っていた。

起き上がったアローラは周囲を見回し、その木が緩やかな丘の上にあるように見えることに気づいた。木の周りには、垂れ下がった蔓の下に守られるように、腰の高さの本棚が二十列あった。本棚は奥行きが十段あり、間には鮮やかな色のクリーピング・タイムが敷き詰められた広い通路があった。タイムの花は青、ピンク、紫、赤のさまざまな色合いで咲いていた。

本棚の...