ローグ・ルナ

77話

第七十七章：困難

ニコラス

深夜、ドリスと私は警備の目を盗んで通り過ぎていた。質問されないように誰にも見られないようにする必要があった。アルファがまだ回復中の時にベータがパックの領地を離れるのは理想的ではない。間違いなく、あの愚かなジャスパーはバーナードのところに駆け込んで全てを話すだろう。もちろん、私は簡単な嘘をつくことができるが、不必要な嘘は避けるべきだと早くから学んでいた。嘘は計画を必要以上に複雑にする傾向があり、私は計画をシンプルに保ちたかった。

「本当にこの道で合ってる？」ドリスが私の後ろをついてきながら囁いた。

「ああ、黙って私についてくるだけでいい。私たちが向かっているこ...