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24話

第二十四章:彼は目覚めた

バーナード

薬品の匂いが鼻をつき、続いて腕の肘に軽い痛みを感じた。閉じた瞼の向こうで、上から差し込む微かな光が見えた。うめき声を上げながら、その光を遮ろうとした。

「バーナード?」遠くから誰かが私を呼ぶ声が聞こえた。もっと眠りたかった、なぜ放っておいてくれないのだろう?

「バーナード?」また声が呼びかけてきたが、今度はより近く、はっきりと聞こえた。振り向くとライマがいた。彼が私の部屋で何をしているのだろう?

薬品の匂いの奥に、別の香りがあった。微かだが確かにそこにあった。ここ数日で私が中毒になっていた香り、エレナだ。彼女がここに、私の部屋にいる。そのとき突...