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125話

第125章:誰もが救えるわけではない

エレナ

私たちは病院に手をつないで入った。小さな喧嘩はもう忘れていた。バーナードがアルファであり、このパックのリーダーであることは理解していたけれど、私は彼のルナだった。私は彼と対等であるべきで、部下ではない。

この小さな喧嘩がまた蒸し返されることは分かっていたけれど、今は問題を棚上げしておくことでよしとしていた。私たちは負傷者の世話をし、大切な人を失った人々と共に悲しむ必要があった。子供たちと世話人たちはパックに戻り、家族と再会していた。勇敢に戦った母親や父親のもとへ走っていく子供たちを見るのは心温まるものだった。しかし、一方では、小さな子供たちが...