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117話

第117章:運命は曲がらない

リチャード

我々はバーナードの領土から数マイル離れた場所に陣を張った。こんなに短時間でこれを成し遂げられたことに、私自身驚いていた。

「アルファ」マシューが私のテントに入ってきた。

「斥候たちが林の境界線から出ていくのを見ました。一時間以内にはバーナードに報告するでしょう」

「よし、つまり奴らは我々が来ることを知ったということだな?」

私はバーナードに、自分が奴を追いかけていることを知ってほしかった。私が奴の土地に侵入していることを知ってほしかった。バーナードの領土の見取り図が置かれた机に身を乗り出した。ここ数日、防衛の弱点を見つけようとこの地図を研究...