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817話

「アンソニー、アンソニー?早く持ってきてよ」

ジュニパーが急かした。

小さな頭がドアの後ろから覗き、顔は真っ赤に染まっていた。

アンソニーの顔も同じく赤かった。

彼のような禁欲的な人間でも、好きな女性に出会うと、他の男性と同じように欲望が湧き上がるものだった。

でもそれは普通のことだろう?

欲望と愛は通常切り離せないものだ。彼にとって、女性への欲望を抱くことは、その女性を愛していることを意味していた。

「出てきて着てみて」アンソニーはいたずらっぽく笑いながら言った。

「冗談でしょ?私、裸よ。どうやって出ていけるの?」ジュニパーの顔は紅潮し、心臓が高鳴っていた。

「大丈夫、どう...