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803話

アンソニーは一晩中眠れず、電話を手に持ちながらも、彼女に電話をかけることを躊躇していた。

もし彼女に電話をかけたら、何と言えばいいのだろう?謝るべきか?それとも…

言いたいことは山ほどあったが、どう切り出せばいいのか分からなかった。

もつれた毛糸の玉のように、複雑に絡み合った状況だった。

夜明けには、少し落ち着きを取り戻していた。

もういい、二人とも大人なのだ。彼女には自分で考える能力がある。

今の彼女に必要なのは、冷静になるための時間と空間かもしれない。この時点で彼女を追い詰めるべきではないだろう。

一睡もしていないアンソニーは、少し頭が痛かった。

鼻筋を指で押さえた。

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