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651話

199本の真っ赤なバラで構成された巨大な花束が、オフィスの中で注目を集めていた。

「うわ、すごい量のバラだね。やりすぎだよ」

「美人はやっぱり得だね。私たちは9本のバラさえもらえないのに、彼女は来て数日でもう199本だなんて」

「彼女には大勢の崇拝者がいるんだろうね。どの男が送ったのかしら」

「もしかして誰かの婚約者かも」

「間違いなく。何かトラブルの謝罪で送ったんじゃない?」

「男ってほんと最低」

「そのとおり」

ミラはゴシップに興味はなかったが、CEOのオフィスをちらりと見ることを止められなかった。これはアイリッシュさんのスタイルではないから、おそらく彼ではないだろう。

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