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639話

ジュニパーはすぐに、彼女を見かけてテリーに雇わないよう言ったのはアンソニーだと気づいた。

マジで?彼女の努力が全て、そんな風に捨てられるなんて?

彼女は怒り心頭で、彼に詰め寄る勢いだったが、自制した。彼に感情的で非理性的な人間だと思われたくなかった。冷静さを保つ必要があった。彼に自分を過小評価させるつもりはなかった。

どこかに行くのではなく、ジュニパーはカフェの窓際の席を確保し、アンソニーがアイリッシュ・グループのビルから出てくる午後5時まで待った。

「アンソニー!」ジュニパーは駆け寄ったが、ボディガードに阻まれた。「なぜ私を雇わなかったの?」

「私はCEOだ。説明する義務はない」

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