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608話

夜の十時を過ぎていた。

レイラは警察署に足止めされ、まるで永遠に感じるほどの時間が経っていた。警官たちは交代していったが、彼女はずっとあの眩しい光の下に置かれていた。電球の光で視界が白く染まり、視力が乱れていた。あの光の下にこれほど長く置かれていると、正気を失いそうだった。

また交代の時間。

「彼女はまだ自白書にサインしていないのか?」

「いや、彼女は鋼のように頑固だ。どんな手を使っても、びくともしない」

署長が食べ物の入った箱を持って入ってきた。

「一日中何も食べていないだろう。さぞ空腹だろう。ほら、食べ物だ」と言いながら、水のボトルも渡した。

レイラは彼らの食べ物など欲しくな...