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536話

メイの心臓は激しく鼓動していた。

もしこれがケイレブが現れてタイラーが彼女に心の内を打ち明ける前だったら、彼女はすごく喜んで即座にイエスと言っていただろう。

でも今はケイレブが絡んできて、彼女は比べずにはいられなかった。

彼女は少し間を置いた。「私たち今日会ったばかりだし、こんなに急に進むのはちょっと。もう少し一緒に過ごしてからでもいい?」

タイラーはうなずいた。「もちろん、急ぐことはないよ。チャンスをくれるだけでも嬉しいんだ。でもできるだけ早く結婚したいな。もう三十二歳だし、好きな女性を見つけたら、しっかりつかまえておきたいんだ」

メイは唇を舐めて、黙ったままだった。

十分後、車...