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500話

手術前日。

モーリスは病室で物思いにふけっていた。

ドアをノックする音で彼の夢想は破られた。小さなスーツと蝶ネクタイを身につけた小さな男の子が立っていて、まるでミニ紳士のように見えた。その顔立ちは将来のハンサムさを予感させるものだった。

モーリスの心臓は一拍飛んだ。

「こんにちは、おじいちゃん、僕はオリバーです」と少年は花束を持ち、丁寧にお辞儀をした。

「おじいちゃん」という言葉にモーリスの血は凍りついた。彼はそこに立ち尽くし、唖然としていた。

「オリバー...」

彼の孫。

モーリスの体は震え、言葉が出なかった。

「おじいちゃん、入ってもいい?」とオリバーは甘く尋ねた。

ま...