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219話

オークションはまだまだ終わりそうになかった。競売人の声が伝染するような熱意で響き渡った。「本日の最後の商品、そして最高の逸品は、他でもない貴重な女王の王冠です。」

ディスプレイから優雅にビロードのカーテンが引かれると、ダイヤモンドをちりばめた王冠が姿を現した。その中心には内側から輝く50カラットの赤いダイヤモンドがあった。

「女王の王冠は、千個のダイヤモンドで飾られ、唯一無二のルビーが特徴で...」競売人の声が途切れると、驚嘆のため息が部屋中に響き渡った。豪華さと贅沢に慣れている女性たちでさえ、その輝く光景に目を奪われていた。

「息をのむほど美しい!」以前は熱望されていた「ピンクハート」...