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19話

モアナ

その夜、私はエドリックの部屋に行かないことに決めた。彼に恋人がいることを知った後では、良心的に彼のベッドに行くことができなかった。娘のナニーであることに加えて、彼の愛人になるつもりはなかった!

普段ならエドリックの部屋に忍び込んでいる時間に、私は数日ぶりに自分のベッドでスケッチブックを広げていた。一人で寝るのは少し不思議な感覚だったけれど、私たちの奇妙な約束からくるストレスから解放されるようで安心した。夜遅くに一人で絵を描く時間が持てるのは嬉しかった。

しかし、鉛筆を手に取ってからわずか5分後、時計仕掛けのように電話が鳴り始めた。スケッチブックから目を上げると、画面にエドリックの...