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189話

モアナ

気がついたとき、私は椅子に座り、手首が後ろで縛られているのを感じた。気を失わせた一撃で頭はズキズキと痛んでいたが、頭に感じていたのはそれだけではなかった。

何か冷たく硬いものがこめかみに押し付けられていた。

目をパチパチとさせながら開けると、スポットライトの眩しい光に目を細めた。私に降り注ぐ光があまりにも明るく、その先はほとんど見えなかったが、今は倉庫の中にいることがわかった。

冷たい金属がさらに強くこめかみに押し付けられた。そして、聞き覚えのある声が聞こえた。

「やあ、モアナ」

私はその声に飛び上がり、頭を振り向かせた。目を見開くと、イーサンが私の頭に銃を突きつけて隣に立...