Read with BonusRead with Bonus

86話

(執事視点)

私は窓を絶え間なく叩く音で目を覚ました。まだ夜明け前だというのに、鳥がすでに外に出ていて、私の窓で遊ぶことを選んだのだ。鳥を追い払おうと窓を開けると、鳥は部屋の中に飛び込んで、ベッドに止まった。私はいらだちながら頭をかいた。またグレート・シャドウが訪れてきたのだ。クローゼットを開けると、鳥はグレート・シャドウの仮住まいから持ってきて棚の一つに置いておいた黒い石へと飛んでいった。その石には何か不穏なものがあった...石が私を見ているような感覚を拭い去ることができず、布切れで覆い、めったにクローゼットの扉を開けないようにしていた。

鳥は私を見てさえずり、黒い石を大広間へ運ぶ時が来...