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44話

「ヒヤシンス、魔女の女王ヒヤシンスのことか?」ベンは尋ねた。彼は私と同じくらい混乱しているようだった。

「ああ、他に誰のことかわからないからな。それに『杖』というのは彼女の魔力を集中させる道具のひとつかもしれない」ダニエルが私に説明してくれた。

「それで、次は何があったの?」マリアが私に尋ねた。彼女はどういうわけか冷静さを保っていて、それが私の気持ちを落ち着かせた。

「青黒い髪の男がヒヤシンスを刺そうとしたの?」私は肩をすくめ、自信なさげに言った。「きらきら光る槍のようなもので。でもダニエルがそれを体で防いで、死んだの」私は震える息を吐き、その記憶に目に涙が浮かんだ。「その後何が起きたの...