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212話

ダニエルは敷地内をぐるぐると案内してまわり、興奮気味に私にすべてを見せてくれた。彼は快適さと機能性を重視し、家族が必要とするものすべてを揃えていた。タオル、ベッドリネン、トイレタリーまで用意してあり、子供部屋のベッドにはぬいぐるみまで置いてあるのを見て、マリアも関わっていたのだろうと思った。なぜダニエルがそれまで私の意見を求めなかったのだろうという思いが、無意識のうちに嫉妬の痛みとなって胸を刺した。私は戸棚や引き出しを開けながら、その感情を振り払おうとした。

「食べ物はどこ？」冷蔵庫とパントリーを開けたが何も入っていなかったので尋ねた。キッチンには鍋やフライパン、ベーキングトレイ、調理器具の...