恋人との喧嘩がきっかけで、親友の無謀な提案に乗ってナイトクラブに行くことになった。でも、彼女が私のドリンクに何かを入れたせいで、恐ろしいほどハンサムな見知らぬ男性、ミケランジェロの腕の中で目が覚めた。

彼のシーツの下で一夜を過ごし、彼は私を快感の世界へと導いた。でも翌朝、彼の姿はなかった。

そして、恋人が親友と一緒にいるところを目撃してしまい、その日から私の人生は完全に崩壊した。

数週間後、私は妊娠していることに気づき、さらに恋人と親友の結婚という衝撃的なニュースを聞かされた。

絶望の中、お腹の子供と共に新しい人生を始めるためニューヨークのパックに引っ越した。そして三年後、誰に出会ったと思う？私の息子の本当の父親、あのミケランジェロ。

でも、あの夜彼は嘘をついていた。本名も素性も明かさなかった。恐るべきマフィアのアルファで、手に負えない存在であるニコ・「ミケランジェロ」・フェラーリだということも。

彼の正体を知って私はパニックに陥ったけど、なぜか彼は私を追いかけることをやめない。私のことを愛していて、運命の相手だと、私と息子と一緒になりたいと説得してくる。

いったいどうすればいいの！？


マフィアとの一夜の過ちで妊娠

――ニコ視点――
過去の影が交錯する。
小さな姿に、見覚えのある感情の波が押し寄せる。
デスクの上のファイルに目を通すが、集中できない。
どこへ行っても、あの無垢な緑の瞳が俺を見つめ返してくる。あり得ない。
ほんの赤ん坊に毛が生えたような、せいぜい二、三歳の小さな子供。物心ついた時から人間の非情な面に触れて育った俺は、子供になんて何の感傷も抱いたことがなかった。だが、今回は違う。
「私と息子を放っておいて」――ジャスミンの悲痛な叫びが耳から離れない。彼女の小さなアパートから車を飛ばし、ホテルに戻ってからすでに三十分も経っているというのに。
彼女の息子……。
まさか……。
手に握...

ナイン