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ニコル視点

私は立ち止まったまま、電話を見つめている。人生で初めて、どちらの決断を下すべきか分からず、途方に暮れている。手が少し震えている。

ダイニングルームを振り返ると、彼らはまだ私を待っている。夕食はすでに始まっているけれど。でも、彼らが本当に食事に集中しているとは思えない。

「わかった、わかったよ。すぐ行くから」と電話に向かって言い、通話を切る。

決断しなければならないことはわかっている。私は決断が速い。だから考えずに、コートを再び手に取り、ダイニングルームに向かって、ドアへと進む。

「おい、どこへ行くんだ?」ファビオが立ち上がり、困惑した表情で私を見つめる。

「急用があるの...