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ジャスミン視点

終わった、全てが完全に終わった。そして初めからこれが違う結末を迎えられると思っていた私は完全な馬鹿だった。レストランから急いで出る時、泣き崩れたい気持ちが私の一部にあった。まるでそうすれば痛みが和らぐかのように、ハンドバッグをきつく握りしめる。

ニコの表情が何度も頭の中で繰り返される。ずっと行き止まりを追いかけていたという現実。彼を近づけるべきではなかった。わかっていたはずなのに、あえて自分を晒して確かめようとした。結局のところ、私は彼にとって単なる気まぐれな関係でしかない。好きなように利用し、そして日が終われば本来の相手のもとへ戻る誰か。一筋の涙が頬を伝い落ち、私はすぐに...