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三十

ジャスミン視点—

ニコが彼のオフィスから出て行き、私は混乱と欲望が入り混じった状態でそこに残された。

他の誰かが部屋に入ってくる可能性を考え、私はすぐにテーブルから降りる。

「くそっ」私は小声で呪う。

どういうわけか、彼はいつも自分の思い通りにすべてを進めることができ、それが本当に私をイライラさせ始めている。

でも違う、本当に私をイライラさせるのは、どれだけ頑張っても、どれだけ彼を求めていないふりをしても、彼の申し出を全て拒否しようとしても、ますます彼に引き寄せられ、抵抗するのがどんどん難しくなっているという事実だ。そして最も怖いのは、彼もそれを知っているということ。

おそらく最初...