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ニコ視点

警官が俺をディエゴのいる場所へ連れていく。まだガラスが俺たちを隔てている。

「どうしてここにいる?」奴は俺に会えて嬉しいという顔は微塵も見せない。

「お前に聞きたいことがある」

「それで、俺がお前に答えると思う理由はなんだ?」

「ここから出たくないのかと思ってな」俺はうんざりしながらあたりを見回す。

「すぐにここから出られるさ、覚えとけよ」と奴は自慢げに言う。

「それを可能にできるのは俺だけだ」俺はにやりと笑う。

あの老人に会いに行ったのは全くの無駄足だった。カルミリアでさえ、奴に自分の計画を話していなかったのだ。

「くそっ」俺は車のハンドルを叩く。「こんなのクソ食ら...