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ファイト!

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ジャスミンの視点
「横領の犯人を特定した?彼が私たちを家まで送ってくれていたの。わざと私を眠らせて、こういう状況になるようにしたんじゃないかと思うんだけど」
「ああ」彼の表情が硬くなり、ハンドルを握る指に力が入った。
「え?」私は体を起こし、彼の手から自分の手を解こうとしたが、彼は片手で運転しながらも手を離さなかった。
「随分早かったわね。で、犯人は誰なの?」と私は尋ねた。
「ヘイリー夫人だ」
「うそでしょ、冗談よね?」私は彼の顔に冗談の気配がないか確かめたが、彼は真顔のままだった。私はシートに深く腰掛けた。
彼女のはずがない。いや、ありえない。彼女は高潔な人だと思っていたのに。
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