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イレブン

ニコ視点

予定より一時間以上も早く、俺は開拓地に到着した。真っ先に考えたのは、辺りを偵察してここが罠でないことを確かめることだったが、キャビン周辺から聞こえてくる物音に足を止めた。

ニューヨーク、リトル・イタリーのガーフィールド・ベイ。

都心部から車で丸々三十分。クソったれなドライブだ。最初の結論は、メッセージを無視してホテルでまた別の、さして輝かしくもない夜を楽しむことだった。だが悲しいかな、退屈しきった俺は、自分がサスペンスに目がないことをとっくに知っていた。これだけ待たされるのは、もう死にそうだ。

俺の勘が正しければ――九十九パーセントの確率でそうだが――、今、俺が対峙しているの...