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第121章

彼の声に潜む思いがけない弱さ、激化する混乱のただ中で平和を求める純粋な願いが、私の心を深く打った。それは約束であり、嵐の中の灯台だった。「ええ、とても。ダリウス」私は彼の手を強く握りしめ、囁いた。戦いが終わったわけではないことは二人とも承知していた。だが、未来――平穏な未来への想いが、私たちを前へと推し進めた。

ダリウス

俺の回復は、じりじりするほど遅かった。日に日にわずかな改善は見られたものの、いつまでも残る脱力感と、時折襲ってくる思考の靄には、気が狂いそうだった。ケンジーの過酷なリハビリに、俺は自分を容赦なく追い込んだ。一刻も早く完全な作戦行動能力を取り戻さねばならないという、焼け付く...