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第177話

イザベラ

コーヒーを二つと小さなブルーベリーマフィンの袋を持ちながら、私はアッシャーのオフィスへと向かう廊下を歩いていた。いつもより少し早く鼓動する心臓を感じながら。エミリアについての会話以来、私たちの間には以前より親密で温かい雰囲気が流れていた。でも、デートに誘うこと?それは大きな一歩に感じた。

ノックをしてアッシャーの返事を聞いてからドアを押し開けると、彼が机から顔を上げて驚いた表情を見せた。コーヒーとマフィンの袋を見て、彼は感謝の笑みを浮かべた。

「僕のために?」彼は面白そうに尋ねた。その視線は柔らかくなっていた。「こんなに持ってきてくれなくても良かったのに」

私は小さく...