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第152話

私は明るい光の中で目を覚ました。周りを見回し、何か見覚えのあるものを探した。この場所は多くの狼の匂いがした。私は体を起こした。体はこわばっていた。腕から管が伸びていて、ベッドの横に吊るされた袋につながっていた。「ケイド」と私は念話で呼びかけた。「目が覚めたんだね。待っていて、今行くから」私は小さな白い部屋を見回した。きっとパックの診療所にいるのだろう。つまり、私たちは生き延びたということだ。それが可能だとは思っていなかった。

ハウィとシャドウパック間の戦いの光景が断片的に思い出された。血、あまりにも多くの血。そして、あの匂い。鉄の匂いがあまりにも強くて、誰の匂いもほとんど識別できなかった。ニ...