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第557話恥ずかしい!

個室の化粧室に立つためアウレリアが席を外すと、テーブルにはナサニエルとフェニックスだけが残され、二人はにらみ合いを繰り広げていた。

ナサニエルは挑戦的な上目遣いでフェニックスを見た。「俺を君の義兄だと認めるのは、そんなに難しいことか?」

フェニックスは鼻で笑った。「鏡でも見たらどうだ。自分のどこが姉さんにふさわしいと思ってるんだ?」

得意げな笑みを浮かべ、ナサニエルは椅子に座り直すとスマートフォンを取り出し、二人の結婚証明書を表示した。義兄という地位は、交渉の余地のない事実なのだと、これで見せつけたわけだ。

フェニックスは衝撃に目を見開いた。「こ、これは……」長い沈黙の後、彼はため息を...