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第540話もう一つの攻撃

アウレリアは掛け布団を丸めて胸に抱きしめ、ナサニエルの分のシーツまで自分の方に引き寄せた。

しばらく待っても返事はなく、いつものように後ろから抱きしめてくれる気配もない。アウレリアは肘で彼をつついた。「ナサニエル、どうして何も言ってくれないの?」

振り向くと、彼は仰向けのまま体を硬直させており、これから眠りにつく人のリラックスした様子はまったくなかった。

「ナサニエル?」もう一度呼びかけ、そして尋ねた。「どうして抱きしめてくれないの?」

ナサニエルはわずかに身を寄せたが、二人の間には少しの距離を保ったまま、片手だけを彼女の腰に置いた。「アウレリア、もう寝よう。少し疲れているんだ」

「...